流域内の4か所(都市部から湿地域への流入点2箇所、農業排水の合流点、対象流域下流端)における流量の連続観測体制の構築を試みた。都市部から湿地域への流入点のうち、通水容量が大きく、水路勾配が確保されている地点においては、通年での流量データが得られた。しかしながら、それ以外の地点においては通水部の通水容量不足や湿地域の氾濫等により、雨季の流量を正確に計測することが困難であった。 流域内約20地点における水質計測を継続した。水質の観測項目は、全窒素、全リン、硝酸、アンモニア、リン酸、浮遊物質、全有機炭素とした。最終的に、月単位の栄養塩収支の検証に用いるため、現地調査は2018年4月および2019年1月に行い、季節変動を把握した。 湿地に流入する流量水量および流入負荷量を評価可能な水質浄化過程を表現するモデルを構築するため、浄化過程における汚濁負荷の沈降と巻き上げを考慮することで、水田からの排水による希釈効果や、雨季/乾季の変動を再現できるよう工夫した。
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