研究課題
若手研究(B)
本研究では,モンスーンアジアにおける湿地の水質浄化機能の定量評価に向けて、発生源ごとの流入負荷、土地利用ごとの流入水量について、雨季/乾季の季節変化を考慮した評価を行った.その結果,湿地の水質浄化機能は雨季の始めには顕著に発揮されたものの,雨季後半の増水時や十分な河川流量が維持されない乾季においては,浄化機能は小さかった.言い換えると,湿地への流入水量や負荷量を適切に管理することで,これらの機能を強化できる可能性が示唆された.
水利環境学
本研究では,明瞭な雨季と乾季を有するモンスーンアジアでは,降水量,河川流量の変動によって湿地の水質浄化機能が変動することを示した.この結果は,雨季の洪水を緩和し,乾季の河川流量を維持することによって,湿地の水質浄化機能を強化できることを示唆する.ここで得られた知見は,グリーンインフラとグレーインフラの組み合わせによるNature Based Solutionの社会実装に貢献する.