日本の患者申出療養制度・拡大治験の制度設計の参考とされ、先進的な取り組みを進めている米国の未承認薬利用制度を調査した。日米の制度比較を行い、未承認薬利用可否の最終判断が製薬企業に委ねられており、患者の選択肢拡大という観点で不安定な制度である点が主な共通の課題であった。また、治療的側面が強い米国と、研究的側面が強い日本の制度の違いが明らかとなった。さらに、日本の患者団体のウェブサイトを調査し、患者申出療養制度・拡大治験の情報が浸透していない可能性を明らかにした。今後、患者団体と協働して未承認薬利用制度を周知することや、患者申出療養制度の実例を一般向けに公開することが有益と考えられた。
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