本研究では液体の水が管壁に存在する管内を音波が伝ぱする際に起こる,熱音響現象に注目し,実験及び数値計算を行った.まず,中空の管内(内径40mm,長さ2 m程度)に細い流路(内径1 mm以下)が多数空いたハニカムセラミックス(以後スタックと呼ぶ)を設置し熱音響エンジンを作成した.スタックの両端に熱交換器を設置し,温度差を与え,エンジンを駆動させた.この際スタックを水に浸した場合と浸さない場合で駆動に必要な温度差を比較した.その結果,浸したほうが小さな温度差で駆動することが分かった.次に,実験結果を湿分の移動により引き起こされる熱流束を加味した理論に基づいた数値計算により再現し,よい一致を得た.
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