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2019 年度 実績報告書

渓流に生息する両生類幼生の幼生期間と変態サイズにおける表現型の可塑性の意義

研究課題

研究課題/領域番号 17K17706
研究機関東京農工大学

研究代表者

岩井 紀子  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50630638)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード変態 / 生活史の進化 / 飼育実験 / カエル
研究実績の概要

最終年度には、長期飼育種が変態するまで飼育実験を継続し、最終データを取得した。その後、これまでに得られたデータを統合して解析し、変態戦略モデルを構築した。モデルでは、各個体の成長曲線と、各種に仮定した適応度曲線とから最適変態点を算出し、実際の変態点とのずれが小さくなるパラメータを計算した。このモデルのパラメータを種間比較することで、各種の生態的特性を説明した。ここから、パラメータとして設定した2変数(変態サイズ、幼生期間がそれぞれ適応度に与える影響の度合いを表す)が分離できないこと、2変数だけでは全ての生態的特性を説明できないことが明らかとなった。これにより、今後の新たなモデルの設定においては、幼生期、成体期それぞれにおける生存率、成長率を考慮し、より複雑なパラメータ設定を行うことが必要であることが示唆された。この成果については国際学会、および国内学会で発表するとともに、論文を執筆し、投稿準備中である。一方で、野外の幼生に対して蛍光シリコンを用いた個体識別を行なうという世界でも類を見ない手法を適応し、再捕獲を行うことで、野外における幼生の成長速度や変態、移動についてのデータを得た。さらに、骨分析においては、骨の部位ごとの安定同位体比の超微量分析をすることで、雑食性だが主に植食性の幼生期と、肉食性になる変態後の骨の部位を判別する手法を試行した。これは、変態時のサイズ推定が可能となる世界初の手法の端緒となるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the detection of 3 endangered frog species by eDNA and acoustic surveys across three seasons2020

    • 著者名/発表者名
      Takahara T, Iwai N, Yasumiba K, Igawa T
    • 雑誌名

      Freshwater Science

      巻: 39 ページ: 18-27

    • DOI

      10.1086/707365

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Rapid behavioural responses of native frogs caused by past predation pressure from invasive mongooses2020

    • 著者名/発表者名
      Komine H, Fukasawa K, Akasaka M, Watari Y, Iwai N, Kaji K
    • 雑誌名

      Journal of Zoology

      巻: 310 ページ: 126-134

    • DOI

      https://doi.org/10.1111/jzo.12734

    • 査読あり
  • [学会発表] Metamorphosing strategy of stream tadpoles2020

    • 著者名/発表者名
      N Iwai
    • 学会等名
      World Congress of Herpetology 9
    • 国際学会
  • [学会発表] 無尾目幼生4種の変態戦略の比較2019

    • 著者名/発表者名
      岩井紀子
    • 学会等名
      日本爬虫両棲類学会第58回大会
  • [図書] 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド2020

    • 著者名/発表者名
      カエル探偵団、松島野枝、藤田宏之、吉川夏彦、岩井紀子、中津元樹、福山欣司
    • 総ページ数
      88
    • 出版者
      文一総合出版
    • ISBN
      978-4-8299-7226-7

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公開日: 2021-01-27  

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