ゼオライト触媒における酸強度の予測法の構築を目指し、ゼオライトにおける酸点構造(Si-(OH)-Al基)の局所構造が、酸強度を表す指標の一つである脱プロトン化エネルギー(DPE)に及ぼす影響を調べた。その結果、Si-(OH)-Al基の酸素上の孤立電子対軌道と、隣接したSi-OやAl-O結合の反結合軌道との軌道相互作用(n-σ* 相互作用)が、DPEの減少に寄与することがわかった。加えて、種々のゼオライト骨格におけるSi-(OH)-Al基の局所構造とDPEとの関係は、n-σ* 相互作用の軌道の重なりの大きさにより説明できることが示された。
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