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2017 年度 実施状況報告書

心臓カテーテル撮影における動画倍速駆動処理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K17738
研究機関新潟大学

研究代表者

長谷川 晃  新潟大学, 医歯学系, 助教 (20749999)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード循環器専用血管撮影装置 / 動画 / 冠動脈撮影 / 解像度 / モーションアーチファクト
研究実績の概要

本研究の意義は、心臓カテーテル治療における動画での残像によるボケや心拍動によるブレが解消され、高画質な動画が得られることで、これまで以上に正確で迅速な診断ができるようになり、冠動脈の手術を行う医師の負担軽減になる、という点である。しかし、実際に動画内に含まれる残像(ボケ)や心拍動によるブレがどの程度画質に影響を与えているのかはまだ検討されていない。そこで、平成29年度は循環器専用血管撮影装置で撮影された動画にどの程度の残像や心拍動によるブレの影響が出ているのか、定量的な評価を行った。
その結果、フレームレート(撮影速度)が7.5frame/seconds(fps)や10fpsのように遅い場合で模擬心臓(メトロノーム)の動きが早い場合には模擬冠動脈(メトロノームの振り子)に残像やブレが生じ、解像度を著しく低下させていることを、解像度の物理的指標であるmodulation transfer functionにて計測した。
この結果、平成28年度までに我々が行ってきた先行研究結果と合わせて考えると、循環器専用血管撮影装置で撮影された動画の画質劣化の要因はノイズよりも、残像や心拍動によるブレにより解像度が低下したことが大きく影響していることが明らかとなった。
この研究結果を平成29年10月7日に秋田県立脳血管研究センターで開催された医用画像情報学会(MII)平成29年度秋季(第179回)大会にて共同研究者とともに発表した。(A4.循環器用血管撮影装置における冠動脈撮影の適正フレームレートの検討)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成29年度は循環器専用血管撮影装置で撮影された動画の画質劣化の要因までは突き止めることができたものの、その研究結果について論文で報告するところまではできなかった。
理由として、今回求めた解像度は実際の人間の冠動脈からではなく、模擬心臓であるメトロノームから求められているため、その違いについて再度十分に考察する必要があったこと、また解析のデータが非常に膨大であったため、解析そのものに時間がかかってしまったことがある。

今後の研究の推進方策

まずは平成29年度で得られた研究成果を論文として報告することが先決と考える。
あわせて、循環器専用血管撮影装置で撮影された動画の画質劣化の要因が心拍動によるブレであることを突き止めることができたため、今後はこのブレの低減を画像処理で行っていくことが中心となる。
当初予定では残像補正も計画として挙げていたが、残像によるボケの影響は軽微であるため、ブレの低減処理が中心となるが、平成29年度で試行したバイラテラルフィルタと言われるエッジ保存型ノイズ低減フィルタでは思ったようなブレ低減効果は得られなかった。また、高周波数強調フィルタによるエッジ強調も思ったような効果が認められなかった。
したがって、深層学習を用いたブレの低減をはじめ、新しい画像処理の手法によるブレの低減を目指す。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、入札の結果、解析用ワークステーションが当初購入予定金額よりも大幅に安く購入できたこと、また、解析に時間がかかったため、当初参加予定だった学会に間に合わず、論文報告も遅れたためである。
今年度の使用計画は、まず昨年度までの経過の論文報告を行う予定であり、校正費として使わせていただく予定である。また、今年度から行う画像処理について、深層学習を取り入れる予定であるため、対応するソフトウェアの購入や演算装置の強化も予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 循環器用血管撮影装置における冠動脈撮影の適正フレームレートの検討2017

    • 著者名/発表者名
      中谷翔人,長谷川晃,李鎔範
    • 学会等名
      医用画像情報学会(MII)平成29年度秋季(第179回)大会

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公開日: 2018-12-17  

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