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2019 年度 実績報告書

Staudinger反応による高歪み活性種生成を鍵とした新規クリック反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K17749
研究機関富山大学

研究代表者

高山 亜紀  富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (40778586)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードベンゾシクロブテン / 生体直交型反応 / Staudinger反応 / アジド / オルトキノジメタン
研究実績の概要

今回,前年度開発した2分子連結反応について,水中での反応の高効率化を目指し,基質となるスチリルホスフィンの修飾を検討した。 修飾部位として末端アルケン,芳香環上にそれぞれ電子吸引基を導入することによって,分子内Diels-Alder反応の促進を図った。
(i) ホスフィンの合成について: 末端アルケン修飾型スチリルホスフィンは,市販のアルデヒドのWittig反応により調製可能であると分かった。 電子求引基として,エステル,ニトリルが導入されたスチリルホスフィンをそれぞれ市販品から1工程で簡便に合成した。 芳香環修飾型スチリルホスフィンについては,種々検討により,当初計画していたCu触媒によるカップリング反応での合成は困難であると判明した。より妥当な代価合成案として,カルボキシラートを含むジアニオンを経由した合成法を選択するに至った。
(ii)修飾型ホスフィンを用いた2分子連結反応について:末端アルケンに電子求引基を導入した場合,1段階目のStaudinger反応は進行するものの,その後の 分子内Diels-Alder反応が効率的に進行せず反応系中が複雑化した。連結反応自体は進行しており,低収率ながらも連結体が得られた。さらにこの時,一部アルケンの幾何異性を反映しない連結体も得られ,Diels-Alder反応後にエピメリ化が起きている可能性が示唆された。本検討では,オルトキノジメタン発生後に複数の副反応が起きている事が分かり,それは求核剤(イミノホスホラン)と電子吸引基(エステル、ニトリル)が同一反応系中に存在していることに因る副反応だと考察している。以上の結果より,末端アルケンへの電子吸引基の導入は,水中での連結反応の高効率化の戦略として有効ではないと分かった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Facile o-quinodimethane formation from benzocyclobutenes triggered by the Staudinger reaction at ambient temperature2019

    • 著者名/発表者名
      Kohyama Aki、Koresawa Eri、Tsuge Kiyoshi、Matsuya Yuji
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 55 ページ: 6205~6208

    • DOI

      10.1039/C9CC01679A

    • 査読あり
  • [学会発表] 高反応性ジエンのin situ発生法を契機とした2分子連結反応の開発2020

    • 著者名/発表者名
      〇高山亜紀,是澤恵莉,高野晃成,柘植清志,松谷裕二
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] 高反応性ジエンのin situ 発生法を契機とした2分子連結反応の開発 -含水条件での収率改善に向けたホスフィン分子の改良-2020

    • 著者名/発表者名
      〇高野晃成,高山亜紀,是澤 恵莉,松谷裕二
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] Staudinger反応が誘起する室温下でのベンゾシクロブテン四員環開裂反応とその応用2019

    • 著者名/発表者名
      〇高山亜紀, 是澤恵莉,柘植清志, 松谷裕二
    • 学会等名
      第17回次世代を担う有機化学シンポジウム
  • [学会発表] Staudinger反応が誘起する室温下でのオルトキノジメタン発生法とその応用2019

    • 著者名/発表者名
      〇高山亜紀, 是澤恵莉,柘植清志, 松谷裕二
    • 学会等名
      第115回有機合成シンポジウム
  • [学会発表] 高歪み化合物ベンゾシクロブテンの反応性制御を鍵とした連結反応の開発2019

    • 著者名/発表者名
      〇高山亜紀, 是澤恵莉,高野晃成,柘植清志,松谷裕二
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第14回年会
  • [学会発表] 富山での研究成果:創薬研究に役立つ反応開発と生物活性分子の合成2019

    • 著者名/発表者名
      高山亜紀
    • 学会等名
      平成31年度トメックス第17回研究会
  • [学会発表] Facile Ring Cleavage of Benzocyclobutenes Triggered by Staudinger Reaction and Its Application for Novel Bioorthogonal Reaction System2019

    • 著者名/発表者名
      Aki Kohyama, Eri Koresawa, Akinari Takano, 〇Yuji Matsuya
    • 学会等名
      EFMC International Symposium on Advances in Synthetic and Medicinal Chemistry
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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