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2022 年度 実績報告書

末梢血白血球遺伝子情報に基づく慢性腎臓病における睡眠覚醒障害の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K17752
研究機関金沢大学

研究代表者

北島 信治  金沢大学, 附属病院, 特任助教 (70507061)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード慢性腎臓病 / 認知機能障害 / 睡眠障害 / Dアミノ酸
研究実績の概要

本年度もヒト慢性腎臓病(CKD)患者における検討を中心に行った。金沢大学附属病院にて、複数のCKDを有する患者を対象としたが、新型コロナウイルス感染予防体制を継続しており、実際の脳波検査などは実施が困難であった。したがって、これまでの検査結果や臨床データなどの関連において検討を継続した。現在、解析中の部分もあるが、これまでの検討結果では、糖尿病性腎症による末期腎不全例において、認知・行動領域の部位において、血流の低下シグナルを認め、腎不全時の認知機能障害の存在が示唆された。あわせて、同症例の知能指数検査(WAIS;Wechsler Adult Intelligence Scale)を終了しており、専門機関での解析を継続中である。CKD患者における血中および尿中Dアミノ酸測定の検討では、CKD患者ではアミノ酸(AA)の体内プロファイルの変化をとらえることができた。一部のAAは脳内で神経伝達物質として機能しており、AAプロファイルの変化がCKD患者の認知機能に関連しているかどうかを検討した。CKD患者では、非CKD患者と比較して、アスパラギン(Asn)、セリン(Ser)、アラニン(Ala)、およびプロリン(Pro) の血漿レベルが増加していた。また、これらのAAのうち、L-Ser、L-Ala、およびD-Serは、脳内の他のAAよりも高いレベルを示した。 さらにL-Serの脳内レベルは、認知機能および腎機能との相関を認めた。さらに、慢性血液透析患者において認知機能が低下した患者では、血漿L-Serレベルの低下を認めた。以上より、L-Serレベルの低下は、CKD患者の認知機能障害と関連していると想定された。特に、血漿L-Serレベルは、血液透析患者における認知機能障害の新規バイオマーカーとなる可能性を見出した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Intra-Brain and Plasma Levels of L-Serine Are Associated with Cognitive Status in Patients with Chronic Kidney Disease2023

    • 著者名/発表者名
      Iwata Yasunori、Nakade Yusuke、Kitajima Shinji、Wada Takashi、et al
    • 雑誌名

      Kidney Diseases

      巻: 9 ページ: 118~130

    • DOI

      10.1159/000527798

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Increased levels of oral Streptococcus-derived d-alanine in patients with chronic kidney disease and diabetes mellitus2022

    • 著者名/発表者名
      Nakade Yusuke、Iwata Yasunori、Sakai Norihiko、Mita Masashi、Nakane Maiko、Hamase Kenji、Suda Wataru、Toyama Tadashi、Kitajima Shinji、Hara Akinori、Shimizu Miho、Ogushi Chikako、Furuichi Kengo、Koshino Yoshitaka、Morita Hidetoshi、Hattori Masahira、Wada Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-022-26175-1

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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