研究課題/領域番号 |
17K17756
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研究機関 | 長崎純心大学 |
研究代表者 |
三浦 佳代子 長崎純心大学, 人文学部, 講師 (10597412)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ポジティブ心理学的介入 / 3つの良いこと日記 / メンタルヘルス / 自律神経機能 / 心拍変動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学生のメンタルヘルスケアとしてのポジティブ心理学の応用可能性を検討するために、ポジティブ心理学の代表的な介入手法である“3つの良いこと(Three Good Things)エクササイズ”によって生じる心理生理学的な変化を、心理学的指標である種々の質問紙、生理学的指標である自律神経機能検査によってとらえ、ポジティブ心理学的介入の効果を多角的に検証することである。 2017年度の文献研究を経て、2018、2019年度には、研究1として大学生を対象とした介入研究を実施した。大学生29名を介入群15名と待機群14名に割り付けし、介入群には“3つの良いことエクササイズ”を1週間実施した。介入効果を検討するため、気分状態、ポジティブ・ネガティブ感情、楽観性、自律神経機能を測定した。各指標の測定は、介入開始前後と介入終了後1か月の合計3回実施した。 2020年度は、補助事業期間を延長し新しい実験(介入)を追加してデータを収集する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い対面による研究を実施することができなかった。そのため、現在あるデータの再分析を行った。群と測定時期を独立変数、各指標を従属変数とした二要因分散分析を実施した。結果、介入群は待機群に比べPOMSにおける「活力・活気」の上昇、「緊張・不安」「混乱・当惑」の低下、ポジティブ感情の上昇などがみられ、ポジティブ心理学的介入は、大学生のメンタルヘルスケアとして有効であることが示唆された。この内容は、日本心理学会第84回大会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は補助事業期間を延長し、新しい実験(介入)を追加してデータを収集する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い対面による研究を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も新型コロナウイルス感染症の影響により対面での介入研究が困難であると予想される。研究計画を、対面式の介入からweb上での調査へと切り替え、データを追加する。最終年度であるため、既に得られている研究結果とあわせ、研究成果を論文にまとめ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
追加で実施する介入研究の費用、及び学会発表のための旅費や論文投稿のための英文校正費、投稿料などをその他の費用として計上していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、さらに大幅な遅れが生じてしまった。これにより1年の再延長となったため、残りの調査費用、学会発表、論文投稿に関わる係わる諸経費が必要である。
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