研究課題
若手研究(B)
極微キラル試料を分光分析するための方法として、表面プラズモン共鳴を利用したキラル光学測定法の開発を行った。研究開始前より着手していた、金薄膜蒸着プリズムを基盤とする表面プラズモンエリプソメトリーを非線形光学検出方式にすることで、キラル分子の検出感度を向上させることができた。また、バルクのキラル分子溶液を対象とする円二色性測定を、偏光子と波長板のみを用いた簡易な装置構成で実現した。
分析化学
円二色性測定は、タンパク質やアミノ酸だけでなく、薬剤など多くのキラルな分子を分析する方法として用いられてきたが、装置が高額であることや微小試料には適用が困難であることが課題であった。本研究計画で、円二色性測定をより簡易に実現したことや、マイクロメートルスケールの微小キラル試料を計測できる測定法を開発したことは、今後、これらの測定法が生化学など多くの研究分野における分析法として活用できると期待される。