表面の濡れ性制御は、工学の様々な分野で活用される重要な課題である。身近な例としては、衣料の防水加工や自動車のフロントガラスやボディーの撥水処理などが挙げられる。工業的な観点からは、プリント基板上でのはんだ付けや、近年では、電気化学反応における濡れ性と触媒活性との関係を示す報告もなされ、単に濡れ性現象の工業的応用のみならず、他の機能との関係性からも、濡れ異性現象の理解は重要な意義を持つ。本研究で濡れ性接触角の第一原理算定スキームを確立できれば、対象固体表面に元素置換を施した表面系を幅広く計算し、所望の表面系を探索可能になると期待される。
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