高分子材料をナノ繊維化した際、単に細くなるだけでなく、繊維を構成する分子配向が高まることが知られている。研究代表者は、この点に着目し、原子間力顕微鏡(AFM)によってナノ繊維表面の構造観察を行った結果、20 nmの分子ドメインが繊維長軸方向に沿って配列することを見出した。次いで、繊維表面の分子構造変化に伴い、生体分子吸着特性が高まることを明らかにした。本研究では、繊維長軸方向へ直線的に分子が吸着しているという仮説の検証と、その工学応用として1次元分子配置技術の確立を目的とする。本提案は、表面構造が制御された材料表面へ生体分子を一次元に配置させる新たな分子修飾技術へとつながることが期待される。
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