研究課題/領域番号 |
17K17769
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
隼瀬 悠里 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 講師 (90611773)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 専門職学習コミュニティ |
研究実績の概要 |
本年度は、国際的な授業研究に関する動向の把握に努めるとともに、フィンランドにおける現地調査も合わせて行った。また、教師教育者に関する研究情報収集についても同様に行った。 国際的な授業研究の動向の把握にあたっては、主に世界授業研究学会の参加を通じて行った。世界授業研究学会においても、海外の研究者の発表において、1990年代から教師の専門性として協働性が強調されていることは指摘されており、教師同士の会話分析から生徒の学びや成長を媒介として教師の協働文化がいかに醸成されているかを捉えるという研究報告もなされていた。しかし、まだそうした協働文化の醸成とそれへの着目は萌芽的な状況にあると言え、国際的には、学校レベルで「学習する組織」を実現していくといった段階ではなかった。また、「学びの共同体」としての学校単位での授業研究を長年にわたって支えてきた佐藤学氏からは、氏による書籍がアジア諸国を中心として多く翻訳され、いくつかの国でパイロット的に授業研究を通した「専門職学習コミュニティ」としての学校改革が始まっていることが報告されていた。「専門職学習コミュニティ」構築の必要性については、筆者も分担執筆者として加わった書籍においても言及している。 教師教育者研究については、武蔵大学において海外から招聘した研究者と日本人研究者による教師教育者に関する国際研究会が開催され、参加を通して、国際的な動向の把握に努めた。研究会では、教師教育者としてのアイデンティティの葛藤や、教師教育者としての専門性開発に取り組む必要性が指摘されており、教師教育者による当事者研究の推進が提起されていた。 フィンランドにおける現地調査からは、在外研究において授業研究のプロジェクト研究に携わった研究者が、萌芽的にいくつかの学校の教員と共に授業研究に着手している状況が分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際的な状況の把握やフィンランドにおける現地調査などを通じて研究の進展はあったが、国際比較のためのさらなる調査地の選定・調査が不十分である。
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今後の研究の推進方策 |
国際比較のためのさらなる理論面・実践面からの研究を進め、調査・研究に取り組むことが必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査が十分にできなかったため、次年度の調査研究に充てたい。
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