研究課題/領域番号 |
17K17770
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
神澤 尚利 東京医科大学, 医学部, 講師 (60622412)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知行動モデル / 家族介護者 / 負担感 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、精神障害者の家族介護者の負担感について実態を明らかにすることを目的に、研究協力施設や対象者を確保し、実態調査を行う予定であった。また、認知行動モデルを用いた介入による負担感やストレスへの効果を検討する目的のために、介入研究対象者のリクルートを行う予定であった。 平成29年度の実施状況は、学生実習を行っている精神科病院や地域精神保健施設、家族会に研究協力を依頼している段階である。3~4か所の地域精神保健施設と家族会より協力が得られる見込みとなっているが、調査を行う必要人数を確保するためには、さらに数か所の施設や家族会を確保する必要がある。協力が得られる見込みの施設や家族会と時間をかけて信頼関係を築くことは、研究対象者となる家族介護者との関係性にかかわり、調査後に行う介入研究への対象者確保にもつながるため、慎重に行っている。 施設の確保ができ次第、研究を遂行できるよう、所属大学の倫理委員会へ提出する申請書類を作成している。 また、介入研究の準備として国内・国外の文献検討を行い、介入を行うためのテキストや資料を作成している。テキストや資料の妥当性を検討するため、精神障害者の家族介護者を対象とした研究実績のある研究者や施設スタッフ等より内容の吟味を行う予定であり、さらに文献検討を行う必要がある。現段階で文献検討を十分に行うことは、今後の調査研究と介入研究を行う上で、大切な資料となるため重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
転職に伴い、研究協力施設の開拓を新たに行う必要があることが大きな理由である。また、新しい職場での職務があり、本研究に取り組む時間を十分に取ることができなかったことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、所属大学の倫理委員会に承認を得た後、速やかに現時点で研究協力の内諾を得られている施設に研究の概要を説明し、家族介護者を対象とした調査を実施する。次年度中には、学会発表や学術雑誌への投稿に調査研究の結果を公表する予定である。 また、その後の介入研究は、研究者が個別(1対1)で面接をする予定であったが、時間と対象者数の確保において実現可能性を考慮し、集団介入とすることを検討している。研究者は以前、同内容の介入を集団で行っていた経験があり、集団介入も実行可能である。 集団介入をする場合には、集団の属性に配慮することが重要となる。その点では介入研究の対象となる地域精神保健施設や家族会では、当事者が患っている精神疾患の種類や当事者との属性、研究対象となる家族介護者の性別・年齢等の属性をある程度統一して、対象者を確保することが可能であると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度SPSS統計ソフトを購入予定であったが、既存のソフトで対応できたため、購入を見合わせた。次年度は、SPSSを購入予定である。また日程等の都合上、学会への参加を見合わせたことが数回あった。次年度は、調査や情報収集、成果発表のため国内外へ行く旅費としての使用を予定している。
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