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2018 年度 実施状況報告書

四肢動物の骨格形態と四足歩行様式の関係の理解、および絶滅動物の古生態復元への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K17794
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤原 慎一  名古屋大学, 博物館, 講師 (30571236)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード古生態 / 復元 / 脊椎動物
研究実績の概要

動物の頭部・体幹部の重心位置を骨格形態から見積もり、基本姿勢と歩様の関係を見積もることを目的とし、まずは三次元的に保存された恐竜標本や、現生動物標本CT撮像データを中心に、胴体骨格の三次元形状の取得を進めた。そして、三次元胸郭構造から、胸郭の強度を見積もり、歩行姿勢との関係について議論を進めた。
特に、二足歩行性から四足歩行性への進化をしたと考えられているケラトプス類恐竜に焦点を当てて骨格形状を取得してきた。現在まで、世界各地のケラトプス類恐竜の良好な骨格標本を選定し、基盤的な仲間から派生的な仲間まで、5つの主要な分類群の骨格形状を取得した。ケラトプス類恐竜については、今後、軟組織復元を行った上で、重心位置の推定と、骨格強度の計算を行っていく予定である。
そのほか、二足歩行性と四足歩行性の哺乳類や鳥類などの現生種の胸郭形状を取得し、背腹方向の圧縮に対する骨格強度を推定した。前肢で体重支持を行う必要がある四足歩行性の動物は、背腹方向への圧縮に対する強度が著しく高いという結果を得た。一方、完全二足歩行性の動物は、その強度が低かった。史上最大級の完全二足歩行性の動物のひとつであるティラノサウルスの胸郭の強度も推定し、同程度の体重の四足歩行動物と比して低い強度を示した。胸郭強度が低い動物は、前肢を用いて体重支持を行うことが困難であると予想されるため、胸郭の骨格強度は絶滅動物の運動性を評価する上で重要な指標のひとつになると期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

立体構築ソフトウェアPhotoscanと、立体造形ソフトウェアZBrushの習熟に時間がかかったことと、数千枚の写真をひとつひとつ処理して行う立体構築に、予想していた以上の時間がかかっているため、各標本の重心位置推定を十分な精度で行うには至っていない。

今後の研究の推進方策

専門的なソフトウェアの使用法に長けた人物の助力を得て、協力して研究を進める、もしくはデータ処理を依頼していくことを検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Propping on forelimbs carries a high risk of rib fractures in Tyrannosaurus (Dinosauria: Theropoda)2019

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi FUJIWARA, Konami ANDO
    • 学会等名
      International Congress of Vertebrate Morphology
    • 国際学会
  • [学会発表] Detecting the forelimb posture of extinct terrestrial vertebrate taxa using the 3D musculo-skeletal models2018

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi FUJIWARA
    • 学会等名
      16th International Echinoderm Congress
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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