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2021 年度 実施状況報告書

四肢動物の骨格形態と四足歩行様式の関係の理解、および絶滅動物の古生態復元への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K17794
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤原 慎一  名古屋大学, 博物館, 講師 (30571236)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード骨密度 / 真無盲腸類 / 胸郭 / 強度
研究実績の概要

本研究計画は、動物の胸郭骨格形態と歩行姿勢の関係を探ることを目的とする。本年度は、その中でも、グループ内における姿勢の多様化が著しいトガリネズミやモグラを含む真無盲腸類に着目して、姿勢の違いと関わる胸郭骨格の機能の評価を進めてきた。
多様な真無盲腸類を用いて下方型動物と側方型動物の胸郭骨格で応力解析を行い、いずれにおいても第一肋骨の強度が体サイズと高い相関を示すことが示された。また、骨格内の骨密度をCT値で比較を行った結果、前位の肋骨が特に高い骨密度を示した。これらの結果は、第一肋骨が四足歩行性の動物が前肢で支える体重の負荷を支える主要な部位であることを裏付けるものであり、その強度は動物の運動様式や体サイズの強力な指標となると期待される。
一方、鎖骨について、長軸方向の圧縮に対する骨格強度は、側方からの力に対する抵抗力を反映する。この値は、下方型の種で低く、側方型の種で高い値を示した。また、骨密度も側方型の種が高い傾向を示した。これらの結果から、側方型の種の胸郭骨格は、鉛直方向の圧縮に対する強度だけではなく、側方からの圧縮に対する強度を高める設計をしていることが示された。
以上の結果は、動物が姿勢変化を伴う進化をする際に、胸郭骨格にどのような機能的要求があるのかを理解する一助となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度までの成果について、投稿論文の査読修正に時間を要しているため。

今後の研究の推進方策

これまでの研究は、四肢動物の中でも、主にCT撮像データが入手できる動物グループを中心に進めてきた。今後は、新たに導入した3Dスキャナを用いて、大型四肢動物の骨格を集め、胸郭骨格の機能推定を進めていく。
また、真無盲腸類の胸郭骨格強度と歩行姿勢・運動機能の関係について論文を投稿する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は新型コロナの感染状況を鑑み、国内外での調査の回数を抑えてきた。次年度は新型コロナの感染状況が収束してくることを期待し、国内の博物館での骨格標本調査を中心に進めることとし、その調査費用に充てる。

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公開日: 2022-12-28  

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