研究課題/領域番号 |
17K17798
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤田 卓仙 慶應義塾大学, イノベーション推進本部, 特任講師 (80627646)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 医療等ID / ゲノム情報 / GDPR / 個人情報保護法 / 医療個人情報 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療等IDを用いてゲノム情報を含めた医療ビッグデータを扱うための法政策の研究を行うものである。医療ビッグデータは、一般的な個人情報と比して、1.対象情報 2.取得状況 3.情報の活用方法の点で特殊性を有する。その中でもゲノム情報は個人識別性や血縁者との共通性等の特徴があり、取得時の同意をはじめ、取り扱いには配慮が必要である。本研究では、そうした特殊性を考慮した上で、医療等分野におけるIDやデータベースの利用を中心とした海外における先進的な制度・仕組みを確認し、学際的・分野横断的な視点から、我が国における法制度との比較検討を行い、日本が課題解決先進国として、超高齢化社会を乗り越えるモデル作りを行うための基礎的な研究成果を生み出すことを目的とする。 本年度は、前年度に引き続き、EUのGDPR(一般データ保護規則)に関する調査として、ドイツの状況に関する調査を行うとともに、アジアにおける関連の取り組みの調査として、タイや台湾等の状況に関する調査を行った。ドイツにおいては医療分野の個別IDが導入され、基盤は構築されたものの、全体としての電子化は進んでおらず、GDPRへの対応にも課題があることがわかった。また、医療分野の電子化に関して日本より先行しているタイや台湾においても、個人情報保護との兼ね合いが大きな課題となっていることがわかった。対象情報の特殊性への考慮のみならず、情報の活用方法の特殊性に重点をおいた制度が望ましいものと考えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りであるが、中国の状況に関する実地調査に関し、国際情勢に鑑み文献調査に留まった。
|
今後の研究の推進方策 |
一年間延長をし、中国、インド、UK、アメリカの状況を更に調べるとともに、我が国における個人情報保護法の次回改正その他立法に資する整理を行うこととしたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
中国等の実地調査費用、成果とりまとめ費用として留保しており、次年度使用予定である。
|