研究課題
若手研究(B)
食塩過剰摂取が肥満や糖代謝に及ぼす影響についての結論は定まっていない。マウスに高脂肪・高塩分食を与えた群は、通常の高脂肪食を与えた群に比較して、体重増加が緩徐であったが、内臓脂肪量が増加した。肥満の病態において視床下部に炎症が生じることが知られているが、両群の視床下部弓状核における炎症性サイトカインの遺伝子発現には差は認められなかった。糖代謝への影響を検討した結果、高脂肪高塩分食群においては、高脂肪食群と比較してインスリン分泌が低下し耐糖能が悪化した。
糖尿病、内分泌、肥満
食塩過剰摂取が肥満や糖尿病の危険因子となるかについては結論が定まっていない。本研究によりマウスにおいて高脂肪食に食塩過剰摂取が加わると、体重増加は抑制されるものの内臓脂肪量が増加し、耐糖能悪化、インスリン分泌不全を来たすことが見出された。その機序として視床下部炎症や中枢神経系を介した代謝制御の関与については今後も検討する必要がある。