研究課題
本年度は、昨年度に引き続き、非圧縮粘性流体の二層流体の拡散界面モデルについて、研究を行った。二層流体の拡散界面モデルとは、水と油などの二種類の流体が混合する領域のあるモデルで、各々の流体の割合とその平均速度場の発展を記述する方程式系である。方程式系の形は、Navier-Stokes方程式とCahn-Hilliard方程式を連立させたものとなる。同方程式系のCahn-Hilliard方程式の化学ポテンシャルが、二流体の割合を表す秩序指数に領域分数ラプラシアンを作用させた項を伴う方程式について考察を行った。昨年度は、本方程式系について、弱解の存在定理を得た。本年度は、二流体が同密度を持つ、古典的なNavier-Stokes-Cahn-Hilliard方程式系に対して、解の性質をより詳細に調べることを目的とし、その定常解の安定性について考察を行った。Cahn-Hilliard方程式の部分については、既存の手法を応用することができると考えている。本研究については、現在進行中であり、十分な結果を得るにはまだ至っていない。また、別の研究テーマとして、定常Navier-Stokes方程式の解の無限遠方での挙動について研究した。速度場の微分がp乗可積分(p \leq 2) になることを仮定して、速度場の微分や渦度の無限遠での減衰についての詳細な結果を得た。
3: やや遅れている
古典的なNavier-Stokes-Cahn-Hilliard方程式系の定常解の安定性について結果を得るにあたり、当初予定していたよりも時間を要しているため。
古典的なNavier-Stokes-Cahn-Hilliard方程式系の定常解の安定性について結果を得るべく、研究を継続していく。関連する文献の調査も十分に行う。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Mathematical Methods in the Applied Sciences
巻: Volume 43, Issue 6 ページ: 3200 - 3219
https://doi.org/10.1002/mma.6111
https://researchmap.jp/yutaka_t