研究課題/領域番号 |
17K17819
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
深見 佳代 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 助教 (90793498)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 労働環境 / 医療・福祉 / ジェンダー / キャリア / 男女共同参画 |
研究実績の概要 |
平成31年度~令和元年度は、計画していたように学会における口頭発表を中心に研究成果の公表を順次行った。1件目は2019年7月17日―19日に東京都で開催された第74回日本消化器外科学科、2件目は2019年8月13日にポーランドで開催されたWorld Congress of Surgery、3件目は2019年8月27日にオーストリアで開催されたAn International Association for Medical Education、4件目は2019年11月16日に高知県で開催された日本臨床外科学会総会である。いずれも共同報告である。 日本消化器外科学会では、平成19年度の医療人GPに採択された9つの医育機関について女性教員の割合がこの20年間でどう変化したか明らかにした。The World Congress of Surgeryでは2018年の末に報じられた医学部入試における女性差別問題について報告し、また差別が指摘された4大学以外にも女性受験者に対する差別が存在している可能性について指摘した。An International Association for Medical Educationでは、ここ数年議論が続いている働き方改革で検討されている医師の労働環境の変更事項と、若手医師のキャリア選択に対する影響を検討した。また、三師調査の結果を元に、出産休暇、育児休暇の取得率と各診療科の相関を分析した。日本臨床外科学会総会では、専門医の資格取得率と育休取得の有無について相関関係を分析し、育休を取得中でありかつ専門資医資格を持つ女性医師と、育休取得中ではない状態でかつ専門医資格を持つ女性医師との二つの集団を比較した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記4つの学会で報告した内容について現在は順次論文化しているが、執筆が遅れている。医師の地域偏在については十分な検討を加えることが叶っておらず、この点でも遅れている。 また、2020年の3月ごろよりコロナウイルスの影響で移動を伴う全ての研究業務が自粛を求められた影響で、当初計画していたミーティングや学会報告等の計画を変更した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は科研費受領期間の最終年度であるため、これまでに得られた研究結果の論文化に注力する予定である。上記4つの学会で報告した内容について順次論文化しており、それぞれ執筆中である。また、それに加えて女性医師の労働環境に関する依頼論文が2本ある。また、追加的に薬剤師の職域について研究結果が得られたので短い論文にまとめる予定である。 中止になったミーティング等についてはメールやオンライン会議等を利用することで対応している。また、医療人GPを実施していた各大学への聞き取り調査を予定していたが、これについては中止し、オンライン上で可能な限り資料を収集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では旅費に多額の費用が掛かると見込んでいたが、安価な航空券と宿泊場所を探したので、予想よりも費用が低く収まった。また、本年度は予定していたミーティングや学会への参加が中止になったので、それにともなって本年度使用額も予定より低くなる。これらの余剰資金を用いて、遠隔ミーティングや情報収集に必要な機材等を購入する予定である。
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