研究実績の概要 |
認知心理学分野で研究が行われているプライミング効果に着目し、批判的な情報検索に必要となる態度を促進するクエリ補完機構に関する設計・検証を行った。提案システムでは、証拠の重視、客観的な視点、探究心、論理的思考の自覚といった批判的思考に必要とされる態度を連想させるキーワードをクエリ補完時に提示する。本研究では、提案システムが検索ユーザの情報探索時間やページ閲覧傾向、検索タスクの結果に与える影響を分析するために、提案システムおよび一般的なクエリ補完システムを用いたオンラインユーザ実験を行った。実験結果の分析を通じて、クエリプライミングは、特に大学卒業経験者のウェブ検索行動を変容させるのに一定の効果があることが確認された。
以上の研究成果について、下記国内会議・国際会議で発表を行った。 ・Yusuke Yamamoto and Takehiro Yamamoto: Query Priming for Promoting Critical Thinking in Web Search, Proceedings of the 3rd ACM SIGIR Conference on Human Information Interaction and Retrieval (CHIIR 2018), pp.12-21, New Jersey, USA, March 2018.
・山本祐輔, 山本岳洋: 「批判的情報検索を促進するクエリプライミング」, 第10回Webインテリジェンスとインタラクション研究会(WI2-10), pp.1-6, July 2017 (萌芽研究賞受賞).
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