研究実績の概要 |
本プロジェクトでは,玉石混淆のウェブ情報から信ぴょう性の高い情報を得る支援を行うために,検索ユーザに対して慎重な情報精査への動機付けを行う情報検索インタラクションに関する研究を行った.H30年度は前年度に開発した,批判的な情報検索に必要となる態度を促進するクエリ補完機構「クエリプライミング」の設計および効果について,さらなる分析・考察を行い,学術論文誌での成果発表を行った(成果1).また,クエリプライミングの「情報探索中にある種の情報提示を行うことで批判的情報探索を促進する」というアイデアから着想を得,新たなインタラクション方法について研究を行った.具体的には,閲覧中の文書に含まれる曖昧文をハイライトすることで批判的情報探索を促すことを狙ったブラウザ拡張の研究開発を行った(成果2).さらに,ウェブ検索ユーザの批判的検索能力の評価指標である「ウェブアクセスリテラシー」の開発を行った(成果3, 4).
(1) 山本祐輔, 山本岳洋:「批判的なウェブ検索を促進するクエリプライミング」, 情報処理学会論文誌: データベース (TOD80), 12(1), pp.38-52, 2019. (2) 齊藤史明, 山本祐輔:「文章表現の曖昧さ指摘によるウェブ情報精査の態度・行動促進」, 第11回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム, 2019 (学生プレゼンテーション賞). (3) 山本祐輔, 山本岳洋, 大島裕明, 川上浩司:「ウェブアクセスリテラシー尺度の開発」, 情報処理学会論文誌: データベース (TOD80), 12(1), pp.24-37, January 2019.(4) Yusuke Yamamoto, Takehiro Yamamoto, Hiroaki Ohshima, and Kawakami Hiroshi: "Web Access Literacy Scale to Evaluate How Critically Users Can Browse and Search for Web Information", Proceedings of the 10th ACM Conference on Web Science (WebSci 2018), pp.97-106, 2018
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