研究成果の概要 |
本研究の目的は、ユグノーの法学者ジャン・バルベラック(Jean Barbeyrac, 1674-1744)と、彼がその説教を仏訳したラティテュディネリアンのジョン・ティロットスン(John Tillotson, 1630-94)が、スコットランド啓蒙に重要な影響を与えたことを示すことにある。本研究を通じて、両者のキリスト教的人間像の共通点を明らかにし、18世紀後半のスコットランドのコモンセンス哲学が両者の道徳思想を継承した可能性を指摘した。さらに、「人間精神の哲学」としての道徳哲学に着目し、スコットランドおよびフランス語圏の哲学者によるロック哲学の受容に関する相違点を明示した。
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