研究課題
若手研究(B)
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)では、中性子の入射面近傍の線量分布の改善のために補償フィルターが用いられる場合がある。本研究では、最適な線量分布を実現するための補償フィルターの形状設計法を考案した。本手法によって形状が最適化されたフィルターを使用することで、正常組織に与える線量を最小限に抑えながら、腫瘍標的に投与される線量の最大化が可能であることが示された。
医学物理学
BNCTの臨床照射では、従来、矩形や円形といった単純な形状の補償フィルターが用いられおり、その厚さや体表面への配置は経験に基づいて決定されている。本研究で確立した補償フィルターの形状最適化を臨床適用することで、個々の症例毎に最適化された治療照射が可能となる。本研究の成果は、治療効果を最大限に発揮し、かつ、より安全性の高いBNCTの実現に繋がるものと考える。