近年、植物材料由来のセルロースナノファイバーおよびそれを補強材料としたナノコンポジットの研究が、次世代の低環境負荷・持続型資源材料として注目を浴びており、ナノファイバー利用の可能性は急速に広がっている。本研究課題では、日本における未利用資源として伸長成長過程にある竹材および伐採適齢期以外の竹材の細胞壁構造の解析とそれに基づく最適なナノファイバー製造手法の提案を行った。これらは、これまで未知であった竹材本来の機能や特性を解明するという学術的意義に加え、全国で深刻化する放置竹林問題の解決の一助となり、その他の植物系バイオマス原料の新たなる利用を促進する社会的意義を持つものである。
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