研究課題
本研究においては、光トラップおよびイオントラップの技術を駆使し、ナノ・マイクロ微粒子(以下、微粒子)を真空中に捕捉する技術を確立する。さらに、この技術を基盤とし、微粒子の重心運動エネルギーの低減や・内部エネルギーの低減といった様々な冷却技術の開発・確立を目指す。そのために必要とされる適切な材料の微粒子の作製についてもとりくむ。H30年度の主要な成果は以下 の4項目である。1. 光トラップした微粒子の重心運動を、低真空中でホモダイン検出することに成功した。現在、重心運動エネルギーを低減させるためのフィードバック機構を構築中である。2. 前年度に構築した平面電極型イオントラップには、予期しない電場の発生が頻繁に起こることと、トラップ領域が小さいという欠点があることが明らかとなった。この欠点を解消すべく、ロッド電極型のイオントラップを構築した。トラップ可能領域が増大したことで複数の粒子を同時にトラップ可能であることを実証した。さらに、電極の構造を工夫することで、予期しない電場の発生を抑制することに成功した。3. 半導体硫化カドミウム粒子を逆ミセル法によって作製することに成功した。平均サイズ100 nmの非常に均一な粒子を作製することに成功した。4. 3で述べた半導体硫化カドミウム粒子からの発光を測定することに成功した。残念ながら、アンチストークス発光成分は非常に小さいことが明らかとなった。現在は、微粒子の結晶性の向上を検討中である。また、この作成した微粒子の光トラップおよび光トラップ中での発光測定を実装中である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 5件)
Journal of Nanophotonics
巻: 13 ページ: 1~1
10.1117/1.jnp.13.012506
Proceedings Volume 10712, Optical Manipulation Conference
巻: 10712 ページ: 107120N
10.1117/12.2319016