研究実績の概要 |
引き続き、「指示参照ファイル理論」という、名詞句に対応する心的表象の理論を作っている。2020年度は、以下の成果を公刊した。 ■論文 1. 山泉実「指示参照ファイル理論序説」『日本語・日本文化研究』30: 1-28. 大阪大学言語文化研究科日本語・日本文化専攻. 2. 山泉実「認知的視座からの意味論と形而上学」『日本語・日本文化研究』30: 29-52. 大阪大学言語文化研究科日本語・日本文化専攻. 3. 山泉実「潜伏疑問名詞句再考」『言語文化研究』47: 101-121 大阪大学大学院言語文化研究科. ●1でRFTの概要を述べ、2でその哲学的基礎とRFTと遂になる形而上学について論じた。3はファイルのデータ構造も含む理論の全体像を示し、それを元に具体的な言語現象を扱った。 ■口頭発表 4. 山泉実「並列名詞(句)の意味論と形態論―選言名詞(句)と連言名詞(句)―」第119回慶應意味論・語用論研究会. 5.山泉実「「並列名詞」とそれが主要部になる名詞句:両者の意味の関係と語彙的特徴」形態論・レキシコンフォーラム2020口頭発表. ●指示参照ファイルの特質-値という概念によって、「合否」「男女」などを分析した。 ■ワークショップ(企画・司会・趣旨説明)6. 山泉実, 成田広樹, 窪田悠介, 田中太一, 太田陽「理論言語学を科学哲学する:生成文法、形式意味論、認知言語学の未来」日本言語学会 第161回大会 2020年11月22日 ●言語学理論を作るという経験を元に、理論言語学の科学哲学的研究のワークショップを行った(書籍化予定)。 ■シンポジウム(企画・趣旨説明・コメンテーター) 7. 基礎言語学研究会設立シンポジウム「言語(研究)の基礎」2021年3月27日 ●言語学において少数派である理論構築研究などの発表の場を確保するため、研究会を設立した。
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