研究課題/領域番号 |
17K17843
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
眞野 智生 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70778026)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ニューロリハビリテーション / 反復経頭蓋磁気刺激 / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
本研究では、脳卒中のリハビリテーションとして注目されている反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の効果を画像解析と生化学的解析の二つの評価方法を融合することで、メカニズムの解析を目標とする。脳卒中に対しては、患側高頻度rTMS群と健常側低頻度rTMS群の報告があるが、同一試験内で比較した研究は存在しない。 一時的中大脳動脈閉塞脳梗塞モデルラットを作製し、左片麻痺型ラットを作成し、最初の2匹で組織的にモデルが完成できているか確認した。次に7テスラMRIのトラクトグラフィーを用いて生体内の錐体路へのダメージを確認した。病変側(右)が健側(左)と比較して、錐体路と思われる神経線維が減少しており、脳梗塞モデルにおける錐体路障害を証明した。モデルラットを患側高頻度rTMS群と健常側低頻度rTMS群に分けた。動物モデルへの確立されている手技を確認したうえで、5日間連続の介入を行い、ロタロットなどを使用し運動機能の変化を比較した。運動機能に関しては両群で明らかな差を認めなかったが、高頻度rTMS群の方が早期からの改善傾向を認めた。再度にトラクトグラフィーを用いて、介入後の錐体路の神経線維の変化も評価した。病変側の神経線維に関しては患側高頻度rTMS群で増加傾向にあった。一方で、健側の神経線維に関しては健常側低頻度rTMS群、患側高頻度rTMS群のどちらも変化を認めなかった。全例を断頭し、脳切片のサンプルを作製し、組織学的変化を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1つの実験を残すのみである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に質量分析装置イメージングを用い、蛋白質やペプチドなどの代謝物の発現の違いについて解析し、終了する。
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次年度使用額が生じた理由 |
質量分析による実験が終了しておらず、最終解析、論文投稿費用などに充てる。
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