本研究では、脳血管障害のリハビリテーション治療として注目されている反復頭蓋磁刺激(rTMS)の効果を画像解析と生化学的解析の二つの評価方法を融合することで、メカニズムの解析を目標とする。 脳血管障害に対しては、患側高頻度rTMS群と健常側低頻度rTMS群の報告があるが、同一試験で比較した研究は存在しない。 一時的中大 動脈閉塞脳梗塞モデルラットを作製し、左片麻痺型ラットを作成し、最初の2匹で組織的にモデルが完成できているか確認した。次に7テスラMRIのトラクトグラフィーを用いて錐体路へのダメージを確認した。病側(右)が健側(左)と比較して、錐体路と思われる神線維が減少しており、脳梗塞モデルにおける錐体路障害を証明した。モデルラットを患側高頻度rTMS群と健常側低頻度rTMS群に分けた。動物モデルへの確立されている手技を確認しで、5日間連続のrTMS介入を行い、ロタロットなどを使用し運動機能の変化を比較した。運動機能に関しては両群で明らかな差を認めなかったが、高頻度rTMS群の方が早期からの改善傾向を認めた。再度にトラクトグラフィーを用いて、介入後の錐体路の神経線維も評価 した。病側側の線維に関しては患側高頻度rTMS群で増加傾向にあった。一方で、健側の神経 線維に関しては健常側低頻度rTMS群、患側高頻度rTMS群のどちらも増加を認めなかった。 本来予定していた質量分析については行えておらず、今年度の課題である。
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