研究課題
若手研究(B)
本研究においては,自立した生活を送っている高齢者を対象に,3年後と6年後に調査を行い,口腔機能と栄養摂取,さらに筋肉量,筋力,身体能力の低下(サルコペニア)の発症ならびに進行との関連について検討した.その結果,80歳時に咬合力が低い高齢者において,83歳時に低栄養となることが示唆された.また,86歳時の高齢者において,サルコペニア群と正常群の間における咬合力について検討すると,サルコペニア群の咬合力の方が有意に低かった.
高齢者歯科学
本研究の結果から,高齢者において,口腔機能と栄養摂取,サルコペニア(筋肉量,筋力,身体能力の低下)の発症並びに進行との間に関連が認められることが示唆された.このことから、高齢者においては,身体機能の低下が顕在化する前に,口腔機能を維持するために早期介入を行ことで,一次予防による健康維持を促すことができる可能性があると考えられる.このことは,高齢者のQOLを高めるとともに,医療費の削減など社会的意義は大きい.