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2019 年度 実績報告書

体の大部分を占める静止期細胞における、アルコール代謝によるDNA損傷と修復の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K17846
研究機関近畿大学

研究代表者

松嵜 健一郎  近畿大学, 農学部, 助教 (10772147)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアセトアルデヒド
研究実績の概要

DNA架橋(ICL)、DNA-蛋白質架橋(DPC)はDNA損傷の一種であり、ヒトでは染色体を不安定化し発がん率を上昇させる。これらの損傷は、生体内で修復が行われていることは分かっているものの、その修復メカニズムは不明な点が多く残されている。これまでのところ、ファンコニ貧血の原因遺伝子群が関与している可能性が示されてきた。我々は、今回これらの損傷の内、近年注目されているアセトアルデヒド依存的なICL、DPCに注目した。アセトアルデヒドはアルコールの代謝産物であり、飲酒によって生じたアセトアルデヒドが体内でDNA損傷を起こし、発がんの原因になっていることが発見された。我々は、アセトアルデヒド依存的なDNA損傷の検出方法を確立し、その解析を行ったところ、アセトアルデヒドはDNA損傷として検出された後、72時間以内に約80%が修復されることを発見した。また、アセトアルデヒド依存的なDNA損傷の遺伝学的解析を進めたところ、相同組換えに大きく依存していることが分かった。最後に、飲酒によって生じるDNA損傷を防ぐ方法を探索したところ、果物に多く含まれる食品成分を利用することで、DNA損傷の頻度が低下することを発見した。今回、生体内で生じるICL、DPC修復に関して、検出系の確立、遺伝学的解析、応用研究を並行して進めることができた。
さらに相同組換えによる修復の解析を行ったところ、新規の相同組換え制御因子FIGNL1を発見した。FIGNL1は、相同組換えの抑制因子であり、過剰な相同組換えを防ぎ染色体の安定性を維持していることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Human RAD51 paralogue SWSAP1 fosters RAD51 filament by regulating the anti-recombinase FIGNL1 AAA+ ATPase2019

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaki Kenichiro、Kondo Shizuka、Ishikawa Tatsuya、Shinohara Akira
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 10 ページ: 1407

    • DOI

      10.1038/s41467-019-09190-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 新規アンチリコンビナーゼFIGNL1による相同組換え制御機構の解析2019

    • 著者名/発表者名
      松嵜健一郎
    • 学会等名
      第25回 DNA複製・組換え・修復ワークショップ
  • [学会発表] 新規アンチリコンビナーゼFIGNL1による相同組換え制御機構の解析2019

    • 著者名/発表者名
      松嵜健一郎
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第62回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 新規アンチリコンビナーゼFIGNL1による相同組換え制御機構の解析2019

    • 著者名/発表者名
      松嵜健一郎
    • 学会等名
      第42回 分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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