我々はSMDR1の欠損が精子ミトコンドリア鞘形成に異常を引き起こし,精子運動性の低下及び雄性不妊を引き起こすことを明らかにした。生殖細胞ではSMDR1はミトコンドリア外膜上に存在し,さらに既知のミトコンドリア外膜タンパク質であるVDAC2及びVDAC3と相互作用していることを明らかにした。これらのことはSMDR1が精子ミトコンドリア鞘形成に必須の存在であり,SMDR1がミトコンドリア同士を繋げてミトコンドリアダイナミクスを制御することでミトコンドリア鞘形成を可能にしていることを示すものであり,世界で初めてミトコンドリア鞘形成の分子メカニズムを明らかにすることに成功した。
|