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2018 年度 実施状況報告書

重症心不全患者における代謝動態の解明および至適栄養療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K17854
研究機関大阪大学

研究代表者

坂本 陽子  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (30444053)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードカヘキシー / 栄養管理 / 心不全
研究実績の概要

入院中の重症心不全患者を対象に、間接熱量計による安静時消費エネルギー測定および血清・尿の生化学的分析を行い、カヘキシーが進みやすい患者の特徴および予防策について検討を行っている。まず現在60例超の症例を対象に統計学的解析を行ったところ、血行動態が安定した心不全患者では予測される安静時消費エネルギーよりも平均で1.1倍ほど高値であり、心不全そのものによる安静時消費エネルギーの亢進はあると考えられた。またカヘキシー進行の要因の一つとして考えられる安静時消費エネルギー亢進が認められる患者について、心機能指標などとの相関を統計学的に解析したところ、心機能指標との相関は認められず、統計学的に有意であったのはBMI(Body mass index)のみであった。もともとるい痩患者では安静時消費エネルギーが亢進していると言われているが、これは心不全患者でも同様であることが明らかとなった。間接熱量計による個々人の安静時消費エネルギー実測により、患者に適正なカロリー量を指導できるとともに、食事量の見直しを行うことでカヘキシー予防に一定の効果が得られた。このほかにもカヘキシーをきたしやすい患者の特色について検討を継続しており、この研究により対策が必要な患者が判別でき介入することが容易になることが期待されるほか、カヘキシーは重症度と関係なく予後不良予測因子であると言われているため予後予測にも有用性が期待される。
本研究では管理栄養士や看護師と連携した低栄養スクリーニングおよび指導も行うことで入院全期間における低栄養予防策を講じており、この方策の有用性についてもこの研究導入前の症例と比較して統計学的解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

育児休暇を8か月取得したため(2018年9月から復職)データ収集や解析が遅れている。

今後の研究の推進方策

データ収集を引き続き進めていく予定である。また現在までに得られた知見について学術集会で発表を行っていく。また論文化も行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

2018年9月まで育児休暇を取得しており、年度途中から研究を再開したため。また研究データとして診療で得られた既存データの使用も多く、サンプルの生化学的分析に要する費用が想定より少なかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 移植外科における周術期栄養管理 ―心臓―2019

    • 著者名/発表者名
      坂本陽子、坂田泰史
    • 雑誌名

      外科と代謝・栄養

      巻: 53 ページ: 1, 6

    • DOI

      https://doi.org/10.11638/jssmn.53.1_1

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 重症心不全患者における安静時エネルギー消費量についての検討2019

    • 著者名/発表者名
      坂本陽子、大谷 朋仁、高 正浩、白波瀬 景子、石橋 怜奈、田中 寿江、渡邊 梓、森本 啓太、糸賀 仁美、辻本 貴江、坂田 泰史、和佐 勝史
    • 学会等名
      栄養アセスメント研究会

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公開日: 2019-12-27  

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