研究課題
平成29年度は、大阪府東大阪市の保健所と市内すべての保健センター(3カ所)の協力のもと、1歳半健診の後の児とその養育者を対象に、本研究の参加者リクルートを実施した。平成29年10月~平成30年3月末の期間に実施された1歳半健診を受診した、睡眠習慣に何らかの課題がある児の養育者をリクルートし、同意が得られた家庭の児と養育者をアプリ群と対照群に振り分け、研究登録を実施した。登録者の内訳は、アプリ群36名・対照群51名(合計87名)であり、ほぼ計画通りの人数の参加者を得た。参加者全員に、ベースライン時点での子どもの睡眠や自分自身の睡眠についての捉え方や、子どもの睡眠習慣の維持や改善のために行っている具体的な工夫等についてヒアリングを行った。登録とベースライン時点での評価を終えた参加者は、順次アプリ利用を開始し、養育者は毎月の睡眠習慣の入力とeラーニングで子どもの睡眠のリテラシーを学び、専門家は入力された睡眠習慣データをもとに毎月家庭ごとの助言を配信した。これらの研究実施と並行して、平成29年度では、アプリのシステムおよび名称について知財化の進行を行った。また、本アプリのトライアルの結果をまとめ、国内学会・国際学会において報告し、小児睡眠の専門家との意見交換を行った。平成30年度は、アプリの運転を続けながら、アプリ利用開始後半年後の時点において、中間WEBアンケートとインタビューを実施し、養育者の認知や行動の変容のプロセス、育児負担の変化等についてデータを収集し、解析を行う。また、アプリ群と対照群両方に、1年後の時点において、WEBアンケートおよび生活習慣のデータ収集を実施し、開始から1年後の時点での睡眠習慣と養育者の眠りに関連する認知や感情、育児ストレスの変化といった要素について調査を実施する。
2: おおむね順調に進展している
計画書に沿った進行を行っているが、一般の養育者への大規模WEB調査については、準備に時間を要しているため、計画以上の進行はない。一般の養育者のもつ価値観について知ることは、今後の臨床研究の発展に資すると思われるため、今後は更なる研究の進展が期待される。
今後の研究推進方策については、概ね計画書通りに進行する予定である。昨年度までに参加者のリクルートは終了しているため、今後はアプリが問題なく進行することを確認しつつ、養育者の認知や育児行動の変化等について検討していく。
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http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2017/20170807_1