今後の研究の推進方策 |
低波数振動スペクトルの温度依存性を量子力学計算により再現することで,低波数振動スペクトルと高次構造との相関関係を明らかとする。その為に,温度による構造変化(格子間隔の変化,分子鎖の歪み,分子鎖の構造ゆらぎなど)を分子動力学により予測し,得られた構造に分子断片化法を適用し計算スペクトルを得て,実験の温度変化スペクトルと比較することで,どの構造要素がスペクトル変化を引き起こすのか明らかとする。PHB, Nylon6, およびPLAについて低波数振動スペクトルと高次構造との相関を明らかとし,PGAの結果と比較し,低波数振動に共通する相関関係を見出す。 NBO解析をポリマーモデル構造に適用し,分子鎖間に働く相互作用(水素結合,立体反発,静電相互作用)の位置,方向,および強さを明らかとする。モデル構造の高次構造を変化させNBO解析を行うことで,どの相互作用が支配的に高次構造を決定しているのかを明らかとする。
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