本研究では、イメージング質量分析技術を用いて、魚類をサンプルとして生体内に取り込まれたセシウムの動態を明らかにすることを目的としている。投影型イメージング質量分析装置の開発の進展とサンプル処理方法の確立により、高空間分解能での測定が可能になり測定時間も大幅に短縮された。この装置によりセシウムの入った餌を摂取した魚の全身のイオン分布を測定し、セシウム動態を分析した結果、セシウム摂取後に消化器官系でセシウムが検出されるようになり、3日程度の時間で全身へと分布するようになることが観測できた。さらにその後30日程度で生態内のセシウム量が半減することが明らかとなった。
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