本研究では、日常でのリスクテイキング行動(意図的な危険の受容行為)に伴うベネフィット(見返り)の認知に着目し、その主要な構成要素を解明するための研究、およびベネフィットの認知に影響を与えうる背景要因に関して心理学的な研究を行った。これらの研究により、リスクテイキング行動におけるベネフィット認知を低減させることが可能かどうかについて考察した。本研究課題での一連の研究の結果、日常でのリスクテイキング行動に伴うベネフィットは感情的な側面の影響が強いこと、またベネフィット認知は周囲の状況の影響を受けやすいことが明らかとなった一方で、ベネフィット認知低減が容易でないことも示唆された。
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