本研究課題は新自由主義的な教育改革が学校教員に与える影響を、公立中学校教員へのインタビュー調査、質問紙調査から検討した。 分析の結果、質問紙調査からは1)教員の約3~5割の教員が新自由主義的な教育政策に対して「反対」の態度を示していること、2)大阪市の教員は特に近年の教育改革による影響を感じ教員の自律性にゆらぎが生じていること、またインタビュー調査からは、3)現場で感じる改革の影響は「管理統制の強化」「成果・競争主義の要請」「実践における裁量権の低下」に整理されること、4)葛藤を深める教員の背景には教育実践者/公務員としての二重の社会的立場、また教員集団の分断があること、以上が明らかになった。
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