肺癌の30%を占める肺扁平上皮癌については使用できる分子標的治療薬は無い。先行研究でドライバー変異を持たない頭頸部扁平上皮癌細胞株とレトロウイルスshRNAライブラリーを用いた網羅的な合成細胞致死スクリーニングにより、mTORC1阻害剤とFAK(PTK2)が相互効果を持つことが示唆された。本研究ではmTORC1阻害剤であるeverolimusとFAK阻害剤であるVS-6063の併用効果をin vitro及びnude mouseを使用した異種移植モデルで評価した。その結果、in vitroにおいては両剤の強い相乗効果が示されたが、異種移植モデルにおいては明らかな併用効果は認められなかった。
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