研究実績の概要 |
令和二年度までに、ライトフィールドカメラにおけるGPUを用いた高速奥行き推定アルゴリズムの構築および論文発表は完了しており、令和三年度には、本研究の成果を広く世に知らせるための活動として、アルゴリズムのソースコードの公開を目標とした。多くの人に利用してもらうために、論文作成時に用いたソースコードを一から作り直し、読みやすく改変しやすいコードを作成した。また使用方法の詳細なドキュメントを作成することで、使用しやすくした。これらをオンライン上で公開することができ、すでに研究で利用されている状況である。 本研究の全期間を通じて実施した研究の成果については以下の通りである。まず、ライトフィールドカメラにおけるGPUを用いた高速奥行き推定アルゴリズムを提案した。アルゴリズムは主に初期推定と視差修正のアルゴリズムからなる。それらのアルゴリズムは単独でも新規で有用なものであり、単に奥行き推定分野の発展に寄与するだけではない。特に視差修正アルゴリズムについては他の画像処理への応用も考えられるものであり、幅広い分野の発展に寄与するものである。本研究の成果は、以下の論文としてまとめられた。Kazu Mishiba, "Fast Depth Estimation for Light Field Cameras," IEEE Transactions on Image Processing, vol. 29, pp. 4232-4242, 2020. さらに、ソースコードをオンラインで公開することで、研究者に限らず幅広く利用できるようにした。以上のように、本研究の成果を広く世に知らせるための活動までを完了した。
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