研究課題
IgG4関連疾患は原因不明の腫瘤形成性病変で、何らかの抗原に対するヘルパーT細胞の異常活性化が原因ではないかと推測されている。本研究はIgG4関連疾患の病態を解明すること、発症の原因となる抗原を特定することを目的とし研究を行った。当初の研究実地計画ではIgG4関連疾患の患者末梢血の特異的IgE抗体を検索し抗原のスクリーニングを行う予定であったが、研究代表者の所属施設が途中で変更になり、新施設では患者の多くが終診または転院により末梢血の採取が困難であったため研究計画を変更することとした。病変部のホルマリン固定パラフィン検体が使用可能であったため、これらの検体からRNAを抽出し遺伝子発現解析の手法であるnCounter法またはRNA-seqを用いることでIgG4関連疾患における遺伝子発現を網羅的に解析し、IgG4関連の病態に重要な役割を果たす遺伝子の同定を行うことで病態解明と抗原の種類の推定を行うこととした。本年度は新規所属施設で8例のIgG4関連疾患のサンプルと臨床情報を集積した。また、比較対象として類縁疾患のキャッスルマン病ならび非腫瘍のリンパ節のサンプルと臨床情報を準備した。年度末に遺伝子発現解析を完了する予定であったが、COVID-19の感染拡大による影響で研究協力施設での解析装置の使用が困難となりいったん保留となっている、受け入れが再開次第解析を行い、研究成果を学会や論文等で発表予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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