研究課題/領域番号 |
17K17897
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高山 修 岡山大学, 環境生命科学研究科, 客員研究員 (80650879)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生殖補助医療 / 胚培養士養成 / 技術教育教材 |
研究実績の概要 |
当該研究は、現在は実際の配偶子を用いずに技術者をある程度のレベルまで養成可能な顕微授精シュミレーターの完成を目標にしている。顕微授精シュミレーターは、一昨年度までにジョイスティックなどのユーザーインターフェイス面はほぼ完成している。当該年度は、昨年度に引き続きシュミレーターの内容を充実させるため、主にプログラム面の改良を行った。 顕微授精操作をした際に、初心者は操作に慣れないため、時間がかかってしまうことがある。そこで、操作時間が記録できるタイマー機能を設置した。また、リアルタイムでなくても熟練者がアドバイスできるように、操作した画面を記録できるようなリプレイ機能を設置した。この機能は前述のタイマー機能と組み合わせて最終的には上達度をスコア化できるようにしたい。 熟練者は、ジョイスティックがいまどこの位置にあるかを示す目盛りが、操作中もイメージとして掴めているが、初心者は掴めないため、画面上に目盛りを設置している。操作に慣れてきたら、その目盛りを消すような機能を設置した。 この他、より本物の操作感に近くなるようなインターフェースの調整を行うなど、より使いやすいシュミレーターとなるよう改良を重ねた。 昨年からの懸案事項であるが、実際に臨床に携わっている胚培養士に本シュミレーターを利用してもらい、使用感のアンケートをとる予定だったが、COVID-19の影響により、調査機会を失っている。調査を行うに当たり、感染拡大しないような工夫をして、出来る範囲での調査協力を依頼する予定である。数少ない機会ではあるが、就職前の高校生、専門学校生にシュミレーターを体験してもらう機会を得た。使用後の感想では、顕微授精操作のイメージがついた、難しさが分かったなどのおおむね好評の感想を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響により、現役胚培養士へのシュミレーターの体験機会を失っているため。
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今後の研究の推進方策 |
精子を不動化し、ピペット内に吸引する、卵子を破膜するなど、一部の顕微捜査の工程が未開発であるため、その開発を試みる。また、感染拡大防止に留意しながら、現役の胚培養士にシュミレーターを体験してもらい、使用感に関するアンケートを収集し、改良点を反映させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、胚培養士への顕微授精シュミレーターの使用感に関するアンケート調査を行う機会を逃した。 今後は、アンケートを実施するとともに、そのための機材購入に利用する。
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