悪性腫瘍関連脳梗塞は血液凝固異常を基盤とし、短期的に再発を繰り返し、治療に難渋することが多い。多施設前向き観察研究から、D-dimerが高いこと、多血管領域支配の脳梗塞であること、ムチン産生腫瘍のバイオマーカーCA-125が悪性腫瘍関連脳梗塞に関連することが示唆された。またCA-125高値は入院中の脳梗塞再発や死亡に関連していた。マイクロRNA探索においてはmir-671-5Pが候補となる可能性が示唆され、その有効性を検証していく予定である。今後、悪性腫瘍患者を対象とした血栓症発症、出血合併症のリスクの層別化や新たな治療法開発に本研究成果を応用したい。
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