これまでの研究により所持品は拡張された自己として機能することが知られているが,その周囲に形成される心理空間の特性を調べた研究はこれまでにない。そこで本研究は「ヒトやモノが形成する心理空間」の解明を目指した。研究期間全体を通して,(1)実験参加者がヒトの心理空間を予測するとき,周辺的な外的要因の影響を大きく見積もる傾向があること,(2)所持品の近く(所持品が形成したと考えられる心理空間)には注意が向きやすい傾向があるが,その傾向には時間特性があること,(3)モノへの自己の拡張においてもコロナ禍の影響が見られること,を明らかにした。
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