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2019 年度 実績報告書

間接的発話の理解における個人差を説明するモデルの構築:報酬に基づく学習の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 17K17912
研究機関広島大学

研究代表者

平川 真  広島大学, 教育学研究科, 講師 (50758133)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード間接的発話行為 / 発話理解 / 間接的要求 / 社会的報酬の感受性 / 社会的罰の感受性
研究実績の概要

本研究課題の目的は、間接的要求の理解について、話し手からのフィードバックによる理解過程の調整を検討する必要があるという想定のもと、間接的要求の理解と社会的報酬・社会的罰による学習との関連を検討した。
令和元年度は、平成30年度に実施した研究成果を踏まえ、2つの目的を設定した。1つは、間接的要求の理解に対する話し手のフィードバック予測が個人の間接的要求の理解に影響している可能性を検討することである。もう一つは、間接的要求の理解過程について、話し手との相互作用を組み込んだモデルを提案することである。
一つ目の目的について、その成果を報告する。平成30年度に開発した尺度を用い、各回答者の間接的要求の解釈バイアスを推定した。また、各回答者には、解釈バイアスを推定する場面とは異なる会話場面を呈示し、その場面で「間接的要求を理解すること」および「間接的要求を理解しないこと」による話し手の感情や話し手の聞き手に対する印象評価の予測を行わせた。「間接的要求を理解することによるポジティブな評価予測をする回答者」および「間接的要求を理解しないことによるネガティブな評価予測をする回答者」は、要求の解釈バイアスが強いことが予測された。しかし、個人レベルの検討ではそのような関連は確認されなかった。一方で、場面ごとに検討すると、間接的要求を要求として理解することが正しいと判断される率が高い場面ほど、「間接的要求を理解することによるポジティブな評価予測」および「間接的要求を理解しないことによるネガティブな評価予測」が成立していた。
二つ目の目的については、間接的要求の理解の特徴を論じ、話し手からのフィードバックによる理解過程の調整を検討する必要があることを指摘する論文を発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 社会的学習の観点を組み込んだ間接的要求の理解モデルの提案2019

    • 著者名/発表者名
      平川真
    • 雑誌名

      対人コミュニケーション研究

      巻: 7 ページ: 39-58

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 間接的要求の解釈バイアスと社会的報酬に基づく学習の関係2020

    • 著者名/発表者名
      平川真
    • 学会等名
      ヒューマンコミュニケーション基礎研究会
  • [学会発表] 間接的要求の解釈にバイアスを生じさせる社会的環境の存在2019

    • 著者名/発表者名
      平川真
    • 学会等名
      日本社会心理学会第60回大会
  • [学会発表] 社会心理学における統計モデリングの可能性2019

    • 著者名/発表者名
      平川真
    • 学会等名
      日本社会心理学会第60回大会

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公開日: 2021-01-27  

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