本研究では、話し手からのフィードバックを考慮して、間接的要求の理解についてのモデルを検討した。 中核となる検討課題は、間接的要求の理解と社会的報酬・社会的罰による学習との関連を検討することであった。要求の意味を理解することによって社会的報酬の獲得につながりやすいという想定から、社会的報酬に基づく学習事態における学習率と解釈バイアスに関連が生じると予測した。しかし、検討の結果、社会的罰に敏感に反応する個人程、曖昧な発話に対して、要求の意味が正しいと判断する傾向が強いことが示された。要求への解釈バイアスは、要求として解釈しないことに対する否定的な反応によって調整されている可能性が考えられる。
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