研究実績の概要 |
2020年度においては,以下3点について取り組んだ. 1)知的財産の学習のための学習者の興味・関心,意識,意欲の評価についてルーブリックの作成 2)新しい技術や価値を自ら創出しようとするイノベーションマインドを身につける学習教材の開発 3)開発した学習教材の実験的な教育実践を行った. 2)については,これまでの研究成果において新たに見出した知見である.従来,知的財産教育は,知的財産を身近なものとして捉え,関係する制度を正確に理解することに注目されていた.しかし,制度理解では法的な知識の習得が可能であるが,学習者がより「知的財産」について当事者意識を持つためには,新しい技術や価値を自ら創出しようとするイノベーションマインドを身に付けることである.そこで,制度の理解に加え,学習者自らが発明・改良するなどの経験を通じ,知的財産を身近に取り入れることのできる教材の開発を行った.学習者の自由な発想やアイデア創出を重視し,身近な課題や話題と知的財産とを関連付けることで,知的財産の本質を理解し,生活や産業の中での必要とされる知的財産について考える機会とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度に産前産後休暇の取得を行った.また,2020年度においては,コロナウイルス感染予防のため,学校への入構制限があったため,学校教育での教育実践に遅延が生じた.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においては,2020年度に開発した「学習者の創造性を生かした知的財産の観点をもとにした学習教材」の教育実践を継続的に行うとともに,教育実践において得られたデータをもとに,分析等を行い,学習者の意識構成について検証を行う.さらに得られた知見をもとに論文や報告書の執筆を継続的に行い,研究過程や研究成果について広く公開する.
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