研究成果の概要 |
本研究の目的は,初等中等教育において,学習者が主体的に知識基盤社会に参画する姿勢で学習を進めることができる知的財産教育を実現することである。効果的な学習を進めるため、教育心理学的な手法を用いて学習者の実態把握に努めた。それらのレディネスをもとに、知的財産に関する学習指導と学習のためのビデオ教材の開発・教育実践及び,知的財産を創造することを通して学ぶ学習教材の開発を行った。教育実践を通じ,学習効果の検証を行った。その結果,学習者が当事者意識を持ち学習に取組む姿勢や,主体的に学習に向かう態度が確認された。学習者の状況を十分に把握するとともに,身近な話題を教材に取り入れることは効果的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では,2002年経済政策として,知的財産立国宣言が行なわれた。その翌年には継続して各省庁が知的財産に関わる政府方針を示す「知的財産推進計画」が発表されている。その中で,人材育成は常に求められ,社会状況の変容に伴い,必要とされる能力及び資質も変化しているが,経済社会における知的財産の重要性への認識と,学校教育における知的財産の役割とには齟齬が見られる。そこで、今回開発した教材(ビデオ教材も含む)は,身近な題材から知的財産を学び,主体的な関わりが期待されるとともに,知的財産について制度的な理解のみならず,創造性を生かした学習場面も想定し,人材育成の側面に寄与する学術的意義が確認できる。
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