本研究の目的は骨盤傾斜の影響を加味した三次元的寛骨臼骨頭被覆の状態と有限要素法や生体力学試験での関節面にかかる応力分析との関係性を明らかにすることである。まずCT画像評価による骨頭被覆率と単純X線評価項目との関連性を検証し、CE(Center Edge)角との相関がみられ、骨盤後傾角度と負の相関がみられることを明らかにした。次に有限要素法による解析では寛骨臼関節面の平均相当応力との間に負の相関がみられ、境界型寛骨臼形成不全群においては、股関節症状を有する例において骨盤後傾角度と相当応力の間に強い相関が見られた。現在、有限要素解析による応力評価と力学試験による応力評価の整合性検討を進めている。
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